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安全への取り組み

首都圏CCS事業における安全性確保や環境保全のための取り組みについてご説明します。
なお、当社は安全確保のための3つの取り組みを徹底いたします。

  • 設備の点検・確認:
    使用する設備や機器の点検を徹底します。
  • 作業手順の確認:
    作業前のリスク確認と安全手順の遵守を徹底します。
  • 異常時の迅速な対応:
    異常を確認した場合は、直ちに作業を停止し、関係機関とも連携して対応します。

輸送(パイプライン)
における安全対策

回収したCO₂ガスは、地下に埋設する鋼製パイプラインで輸送する計画です。パイプラインは十分な厚さと強度を確保し、腐食対策を実施の上、国の安全基準を満たしたものを使用します。また、CO₂ガスの特性を考慮し、長期的な健全性が保たれることを確認します。

事前調査

パイプラインの計画・設計に必要な測量調査や、地下の地盤や土質を調べるボーリング調査、不明確な埋設物の有無を確認するための道路試掘調査を実施しています。 また、地盤沈下や陥没などの災害につながる要因を事前に把握するため、工事前の地質調査、工事中の沈下計測、工事後の空洞調査などを行い、地盤の状態を継続的に確認します。

道路上での埋設物調査の試掘作業の様子

道路上での埋設物調査の試掘作業の様子
道路上での埋設物調査の試掘作業の様子
道路上での埋設物調査の試掘作業の様子

地質調査ボーリング作業の様子

地質調査ボーリング作業の様子

災害への対策

ルートは事前に地質調査を実施し、安全性を最大限確保できる経路を選定します。やむを得ず地質条件の厳しい場所を通る場合には、土砂が動く可能性のある層よりもずっと深い位置にパイプラインを設置するなどの対策をします。
地震や津波などの災害時には、緊急遮断弁と呼ばれる安全装置が作動することで、CO₂ガスの流れを直ちに遮断します。パイプライン上では、温度と圧力をはじめとしたさまざまな項目に異常がないか常に監視し、入念に安全を確かめられる環境を整えていきます。

緊急遮断弁

● 強度を確保したパイプライン

パイプラインには、液状化や地震によって地盤が変形した場合でも粘り強く変形し、CO₂ガスが漏れにくい鋼管を使用します。接合部は溶接によりパイプ本体以上の強度を確保し、引張試験や曲げ試験などによって性能を確認しています。

曲げ試験の様子

パイプラインの材料へ、上から強い力(曲げ荷重)を加える

道路上での埋設物調査の試掘作業の様子
道路上での埋設物調査の試掘作業の様子

大きな曲げ荷重を加えても、引き延ばされた面に一切き裂が発生しないことを確認

道路上での埋設物調査の試掘作業の様子
道路上での埋設物調査の試掘作業の様子

継続的なモニタリング体制

パイプラインは24時間365日体制で監視し、圧力などの変化から異常を早期に把握します。定期的な点検やパトロールを行うほか、自治体や関係機関との連携を含む緊急時の対応体制を整えます。

腐食対策

パイプライン内部は水分を除去したCO₂ガスを受け入れることによりサビの発生を防ぎます。 また、外面はポリエチレン被覆で覆われており土壌との接触を防ぐほか、電気防食技術を採用し、長期間にわたり安全に使用できるよう設計します。

腐食対策

環境保全

調査や工事にあたっては、周辺環境や地域の皆さまの生活への影響をできるだけ低減できるよう配慮しながら進めます。
事前調査として行う道路試掘調査では、低騒音型の重機の使用や防音シートの設置、工事時間を原則として日中に限定するなど、騒音や振動の低減に努めています。また、発生した土砂は法令に従い適切に処理します。
また、これまでの天然ガスパイプライン建設工事では、地下水(井戸など)の調査や希少動植物の調査なども実施してきました。本事業においても、周辺環境への影響を確認しながら、同様の対策を実施する予定です。

過去工事での対策の様子

低騒音型の重機低騒音型の重機
地下水調査地下水調査
濁水処理設備濁水処理設備
希少動物調査希少動物調査

輸送中にパイプラインからCO₂の
漏えいが起きた場合

パイプラインは、震度7クラスの地震や地すべりなどの自然災害が発生した場合でも、CO₂ガスの漏えいが発生しないように設計しています。
万が一漏えいを検知した場合は、CO₂ガスの受け入れを停止し、該当区間の緊急遮断弁を閉じて影響の拡大を防ぎます。必要に応じて放散塔から安全に放散するとともに、現地へ速やかに出動し、立入制限などの緊急対応を行います。

動画でわかるCCS背景
再生

動画でわかる
パイプライン工事と
安全への取り組み

パイプラインについて、調査から施工、安全対策、モニタリング体制までを動画でわかりやすくご紹介しています。

貯留における安全対策

輸送したCO₂を地下深くの地層へ安全に貯留します。

事前調査

CO₂を安全に貯留できる地層か確認するため、これまでに得られた地質データを調べるとともに、調査用の井戸を掘って地下の岩石や地層の状態、圧力などを詳しく確認しています。
全ての調査結果をもとに、CO₂を長期的かつ安定的に閉じ込められるかを評価し、井戸を掘る位置や深さ、設備の設計に反映します。

● 掘削装置の様子:
安全管理担当者による現場確認

掘削作業中は、安全管理担当者が定期的に現場を巡回し、作業手順や設備の状態、安全ルールの遵守状況を確認しています。安全上のリスクを早期に発見・改善し、事故の未然防止に努めています。

安全管理担当者による現場確認
安全管理担当者による現場確認
安全管理担当者による現場確認

継続的なモニタリング体制

CO₂の圧入中および圧入後は、地下の圧力や温度などを継続的に測定し、CO₂が想定した範囲に安全かつ安定的に貯留されていることを監視します。また、微小な地震や振動も継続的に測定し、異常の兆候がないか監視します。
異常の兆候が確認された場合には、圧入量や圧力の調整、圧入の停止などを行い、安全性を確保します。

災害への対策

● 地震などを想定した事前評価

CO₂の貯留を開始する前に、圧入に伴う地下の圧力変化や、自然地震、断層などの影響を考慮し、大規模な災害が発生した場合でも、貯留層や遮へい層が損傷したり、CO₂が漏えいしたりするおそれがないかを綿密に評価します。

● 地震・津波に備えた設備対策

施設や設備は、地震による倒壊やCO₂の漏えいを防ぐため、耐震性を考慮して設計します。また、津波に備え、津波避難タワーの設置や敷地のかさ上げなどの対策を行います。

● 災害発生時の安全措置

大規模な地震や津波が発生した場合は、直ちに操業を停止し、遮断バルブを閉止するなど、必要な安全措置を講じます。

環境保全

首都圏CCS株式会社ならびにINPEXグループでは、IFC(国際金融公社)のパフォーマンススタンダードや世界銀行の環境・社会フレームワークなどの国際的な基準等を参考に、事業の全期間にわたって環境・社会面のリスクや影響を評価・管理するためのHSE※基準を定めています。
首都圏CCS事業は、環境影響評価法および千葉県環境影響評価条例に基づく環境影響評価の対象事業ではありませんが、当社はこのHSE※基準および管理手順に基づき、自主的に環境社会影響評価を実施しています。
評価項目は、当社のHSE※基準および管理手順に加え、国や千葉県が定める環境影響評価に関する基準や各種ガイドラインなどを参考に、専門家等の助言も踏まえて選定しています。 現在、現地調査を進めており、その結果を踏まえて事業による影響を予測・評価し、必要な低減策を設計や事業計画に反映していきます。

※HSEとは、Health(健康)、Safety(安全)、Environment(環境)の略で、人の健康・安全と環境を守るための取り組みを指します。

掘削装置内での掘りくず回収の様子
掘削装置内での掘りくず回収の様子
掘りくずはパイプを通じて専用コンテナに回収されます。

具体的には、掘削作業で発生する掘りくずやし尿については、海域及び陸域の環境保全に配慮し、海へ排出せず、陸揚げした上で廃棄物として適切に処理しています。また、作業中の騒音についても、海岸付近で測定を行い、周辺環境への影響を把握しています。

貯留層からCO₂の漏えいが疑われる場合

CO₂を閉じ込める遮へい層よりも浅い深度にCO₂が漏えいしている兆候が確認された場合には、直ちに圧入を停止するなど、必要な安全措置を講じ、海底面からCO₂が漏出しないようにします。
また、事業化前には、掘削調査などの結果を踏まえて、海底面からCO₂が漏れ出した場合に想定されるシナリオや対策、地域の皆さまへの連絡方法などについて検討し、適切に対応できる体制を整えます。