CCSが必要とされる背景
地球温暖化と気候変動
地球温暖化は、遠い将来や一部の地域だけの問題ではありません。
CO₂やメタンなどの温室効果ガスが増えることで、地球の平均気温は上昇し続けています。
その影響により、猛暑日や大雨などの異常気象が増えており、私たちの暮らしにもさまざまな影響が出ています。
地球温暖化を防ぐためには、温室効果ガスの排出を減らすことが重要です。
地球温暖化による影響
地球温暖化が進むと、猛暑や大雨の増加、海面上昇、生態系の変化など、さまざまな影響が生じると考えられています。こうした変化は、私たちの暮らしだけでなく、農業や漁業、インフラ、産業活動にも影響を及ぼす可能性があります。
世界では、地球の平均気温の上昇を19世紀後半(1850~1900年頃)と比べてできるだけ1.5℃に近い水準に抑えることを目標としています。
しかし、2025年の地球の平均気温は、すでに19世紀後半と比べて約1.43℃※上昇しています。
今後も温暖化が進めば、気候変動による影響がさらに大きくなるおそれがあります。こうした影響をできるだけ抑えるためには、地球温暖化の原因であるCO₂などの温室効果ガスの排出を大幅に減らすことが重要です。
※2025年の世界平均気温は、世界気象機関(WMO)
「State of the Global Climate 2025」に基づいています。
基準期間は1850~1900年です。
カーボンニュートラル実現に
向けた取り組み
2050年カーボンニュートラル宣言
日本政府は、2050年までに温室効果ガスの排出量と吸収・除去量を差し引き、全体として実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を目指しています。
この実現には、省エネルギーや再生可能エネルギーの導入に加え、排出量の削減が難しい分野への対策も必要です。CCSは、そのような分野から排出されるCO₂を削減するための重要な技術として期待されています。
脱炭素の「難しい部門」を
CCSが支える
鉄鋼やセメントなどの産業では、製造工程でCO₂が発生するため、省エネルギーや再生可能エネルギーだけではCO₂排出量をゼロにすることができません。
CCSは、そのようなCO₂を大気中に放出する前に分離・回収し、安全に地下へ貯留することで排出量の削減に貢献する技術です。CCSは、省エネルギーや再生可能エネルギーなどの取り組みと組み合わせて活用することで、削減が難しいCO₂への対策として期待されています。
【製鉄・セメントにおける製造工程】


社会と暮らしを支える
CCSの役割
「今すぐ」減らすための
現実的な橋渡し
エネルギーや原材料の供給方法をすべて短期間で切り替えることは容易ではありません。CCSは、次の仕組みへの移行を進める間にも、既存の工場や設備から出るCO₂の削減に早く着手するための現実的な選択肢です。
暮らしと産業・雇用を守る
鉄鋼や化学などの素材産業は、生活に必要な製品を供給するとともに、地域の雇用や取引を支えています。生産活動と脱炭素化を両立する手段を増やすことは、企業が地域で事業を続け、働く場や地域経済を将来につなぐことにもつながります。
未来の脱炭素社会を
支える基盤
2050年カーボンニュートラルの実現には、再生可能エネルギーの導入や省エネルギーだけでは脱炭素化が難しい産業分野への対応も必要です。2025年2月に閣議決定された「第7次エネルギー基本計画」では、エネルギーの安定供給、経済成長、脱炭素の同時実現に向け、CCSは具体的な取り組みを進める重要な分野の一つに位置づけられています。CCSの技術やインフラを整備することは、産業活動と脱炭素化の両立を促し、未来の脱炭素社会を支える基盤となることが期待されています。






